
7月7日七夕の日に第1回KURASOO主催理学療法士向け動物リハビリテーション Webセミナーを開催いたしました。
理学療法士で動物リハビリテーションに関心のある方の他、愛玩動物看護師、学生の皆さん合計20名程の方にご参加頂きました。
まずは日本初の小動物リハビリテーション専門クリニック院長の獣医師長坂佳代先生から、獣医療の基礎知識や動物の検査測定のご紹介をして頂き、続いて今回のテーマである「小動物リハビリテーション対象膝下として多い疾患~整形外科編~」についてご講演頂きました。
橈尺骨の骨折や股関節形成不全、前十字靭帯断裂などは人でも聞き馴染みのある疾患名ではありながら、動物特有の症状や術式などがあり、理学療法士としては驚いた方も多かったのではないでしょうか。
他にも犬にとても多い膝蓋骨脱臼や股関節や肘関節の形成不全の他多くの疾患について病態と治療法などをご教授いただきました。
獣医寮に携わるためには、疾患や病態を知る必要がありますが、その他にも動物業界を理解しておくことはとても大切です。
何より飼い主様との高いコミュニケーション能力が求められます。
動物たちは自分で動物病院を訪れることはなく、飼い主様が連れて来られます。動物たちの異常に気付くのも、ケアをするのも飼い主様。
飼い主様のご希望を正確に把握し、適切にアドバイス出来る能力はとても大切なことであると言うことを丁寧に教えて頂きました。

続いて、実際のリハビリテーション実践症例について、ベイサイドアニマルクリニックの理学療法士・アニマルケアスタッフの平野飛鳥先生にご講演いただきました。
膝蓋骨脱臼術後のトイプードルの症例を2例と、左大腿骨遠位端成長板骨折術後のミニチュアダックスの症例をご紹介頂きました。

理学療法評価にて問題点をICFで表示して頂いたので、理学療法士としては考え方や組み立ては同じであることがお分かりいただけたのではないかと思いました。
また重傷の膝蓋骨脱臼でさらに高齢のトイプードルに対して、犬用カート(車椅子)の導入などの応用もご報告いただきました。

両先生のご講演後、質疑では長坂先生には飼い主様への自宅での管理指導のポイント、そして平野先生には、新たに動物病院で働き始めた時、意識して取り組んだことをお聞きしました。
長坂先生からは、既存の概念にとらわれず、安全を確保したいときには確保したい目的のために応用を考えてご指導するとお答えいただきました。
平野先生が取り組まれたことはまずは信頼関係の構築であったとの事でした。
理学療法士がどのような職種であるかを十分理解されていない場所において、理学療法士として活躍するためにも、まず働くものとしての人間関係は重要なんだと改めて教えていただいた気がしました。
今回は夜間開催であったにもかかわらず、お申し込みをされた皆様全員がご参加くださり、最後まで聴講していただいたことが本当に嬉しく、今後も継続して動物への理学療法に興味のある理学療法士のみならず、獣医療に従事する皆様へも発信を続けていきたいと、心を新たにしたセミナーでした。
今後もWebや対面でセミナーなど開催する計画を立てております。
ぜひ、多くの方に参加していただけるセミナーを開催して参りますので、多数のご参加をお待ちしております!
(追)
最後にWeb上で集合写真(笑)を撮りました。掲載の許可を頂いています
